梅雨の晴れ間に元気に園庭で遊んでいるときのとある場面のお話をしたいと思います。4月当初のあひる組は、園庭遊びでは砂場で遊んだり、小さなローラー滑り台を滑ってみたり、手押し車で遊んだりと、あまり全身を使うような遊びではない遊びをしている様子でした。しかし、ここ数ヶ月で足腰も発達して行動範囲も更に広がってきました。そんな中、大型遊具のボルダリングに挑戦する子どもたちが増えてきました。日を重ねるにつれ、ボルダリングを登り、滑り台を滑ることができる子どもが1人、2人と増えていくのを見て、すごく成長を感じていました。登ることのできた友だちを見ると、Aくん、Bちゃんが「僕も私もやりたい!」と言っているかのように真似をしてボルダリングに挑戦していました。見守っていると、AくんもBちゃんも右側のボルダリングから登ることができました。Aくんはまた登ろうとし、次は左側のボルダリングに挑戦します。何度も挑戦しても登ることができないなか、私が「Aくんできるよ!」と声を掛けると「できる!」とAくんが答え、何度も挑戦していました。ですが、なかなか登ることができないAくん。何度も挑戦しましたが左側は難しいと思ったのか、最初に登ることのできた右側からもう一度挑戦し、無事登ることができました。登ることができたAくんは「できたー!やったあ!」と嬉しそうに手を叩いて笑顔を見せてくれました。その後、Bちゃんが登っていると「Bちゃん、がんばーれっ」と手を叩いて応援するAくん。お友だちを応援するほっこりした場面でした。友だちの存在を認識し、相手を思いやり応援する気持ちは、人間関係にも繋がると考えました。
また、私はこの場面を見て、保育所保育指針の「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」の10の姿の「思考力の芽生え」が大きく当てはまっていると感じました。遊びのなかで子どもたちは遊びが深まる中で、多様な関わりを楽しみ、予想したり、確かめたり、振り返ったりして興味や関心を深めるようになったり、物との多様な関わりの中で、その性質や仕組みについて気付き、思い巡らし物を使いこなすようになります。思考力の基盤をつくることは、子どもたちの能力を後押しすることにも繋がるため、とても大事なことだと思います。そのため、子どもたちが自ら考えることができるよう、大人が先回りをしすぎず、個々の発達段階や性格に応じて必要な働きかけをすることを意識したり、友だちを思いやることのできるよう、子どもたちの姿を見守りながら生活していきたいと思います。あひる組 服部