ある日の食事の時間。A君が周りをキョロキョロしながら見渡し、ソワソワしている様子。すると、A君が「Tせんせい~ちょっときて!」と呼ぶ声が。駆け寄ると耳元で囁くようにこんなことを話してくれました。
「これ、夢に出てきそうなくらい美味しい…」この日の献立の主菜、「鶏肉の味噌炒め」が、とーーーーーーーっても美味しかったようで、満面の笑みで教えてくれました。普段はあまりおかわりをしないA君も、この鶏肉の味噌炒めが美味しかったようでおかわりをしてたくさん食べていました。「夢に出てきそうな…」という、A君のグルメリポーターばりの美味しい気持ちが伝わってくる言葉に、A君の表現力の豊かさと口の中に味を感じて食事を楽しいものが伝わってくる言葉に、A君の表現力の豊かさと口の中で味を感じて食事を楽しいものにとらえているんだなという気持ちの芽生えに成長を感じ、嬉しい気持ちになりました。大人の食事の中でも味を伝えあう場面がありますが、近年の食事では「ヤバイ」という表現も聞こえるようになりました。「ヤバイ」という言葉も美味しさが伝わらなくもないですが、発した人・聞いた人で伝わり方にズレでてきてしまうようにも思います。グルメ番組でより美味しさを感じるには、表現力を身につけることが大切だと思います。調べてみると、日本語というのは食感など美味しさを表す言葉の数が445語もあり世界一だそうです。ちなみに…その445語のうち、擬音語・疑能語は70%を占めているそうです。たくさんの「美味しいさを表現する言葉」がある日本で、「どんな味がする?」と子どもに問いかけ、口の中でどんな味がするのかを感じ、自由な言葉で表現し合う事で、子どもの豊かな表現力を引き出し、楽しい食事にも繋がっていくのではないのでしょうか。これからも子ども達と食事の味を表現し合いながら、「楽しい食事」「楽しい食育」にしていきたいと思います。幼児組 小池