夏が終わり、園庭で遊ぶようになってから、大型遊具や太鼓橋、三輪車や手押し車、砂場などそれぞれ遊び方が上手になり、自分の好きな遊びを楽しむ姿が多く見られるようになりました。そんな中、園庭で遊んでいるある日の出来事です。砂場で遊んでいたAちゃん。「せんせいみて〜」と話しかけてくれたので、近くに行くとかにの型抜きを持っていたAちゃん。「せんせいやって〜」とAちゃんが言うので、砂を入れてかにの型抜きをテーブルに乗せると「みてみて〜かにぱん」とAちゃんが教えてくれました。私はかにぱんを知っていることに驚き、「かにぱん?かにぱん知ってるの?」と聞くと「うん」と答えていたAちゃん。後からAちゃんの保護者にAちゃんはかにぱんを知っているか聞いてみると、かにぱんを食べたことがあったようです。Aちゃんは1歳児クラスの中でもお話することがすごく上手で、自分が体験したことを私たちにもよく話してくれます。この出来事で子どもは日常生活で体験したことを遊びに活かすことが多くあると改めて感じました。保育指針の幼児期までに育ってほしい10の姿に「豊かな感性と表現」という項目があります。その内容は、「生活のなかで美しいものや心を動かす出来事に触れて思いを膨らませ、さまざまな表現を楽しみながら感じたり考えたりするようになる。」「遊びや生活のなかで感じたことや考えたことなどを音や動きなどで楽しんだり、思いのままにかいたり、つくったり、演じたりなどして表現するようになり、友だちといっしょに工夫して創造的な活動を生み出していくようになる。」「自分の素朴な表現が先生や他の幼児に受け止められる経験を積み重ねながら、動きや言葉などで表現したり、演じて遊んだり、友達といっしょに表現する過程を楽しんだりして、表現する喜びを味わい、意欲が高まるようになる。」というものです。Aちゃんが経験したことを話してくれたことは豊かな感性と表現力が育まれていると感じました。まだ生まれて1、2年の子どもたち。知らないこと、経験をしたことがないことがたくさんあります。たくさんの経験をしてもらい、豊かな感性と表現力が育てられるような環境作りをこれからもしていきたいと思います。あひる組 服部
「日々の生活遊びから豊かな感情を育む」1歳児あひる組編
2023.11.06