木月保育園のブログ「小さなもみじの物語」

「子どもの思い」ひよこ・あひる組編

2025.04.21

4月を迎え、新年度が始まりました。あひる組(1歳児)進級する前、お部屋で、コンビカーで遊んでいる時のお話です。コンビカーをいくつかお部屋に出して、初めのうちはそれぞれ近くにあった物に乗っていたのですが、次第に周りの様子を見ながら、Aちゃんの乗っているコンビカーを見て「このコンビカーで遊びたい」と思ったのか、Bちゃんは乗りたくて近くに行き横から乗ろうとしたり、乗りたくて泣いてしまう姿がありました。その様子を見て「Bちゃんが使いたいみたいだよ」「Aちゃんはまだ遊びたいんだって」とお互いの気持ちをことばで伝えていきました。なかなか貸してはもらえず、難しかなと思っていた時でした。ずっとBちゃんが、使いたくて待っていたのを知ってか知らずかは分かりませんが、Aちゃんがコンビカーを降りて、Bちゃんの所まで持ってくれました。「Bちゃん、Aちゃんが貸してくれたね」「Aちゃん貸してくれてありがとう」ということばを伝えました。まだ、生まれて1年くらいの子どもたちにも、お友だちの気持ちを汲み取る力があるのかもしれないと思い、感動した瞬間でした。大人は「貸して」と言われたら「いいよ」と返すのが「思いやりがあるいい子」と思いがちですが、思いやりは大人が押し付けることで育まれるものではありません。ずっと、使っていたんだから、そろそろかしてあげたら?なとど思ってしまう事もあります。そのおもちゃに夢中になっている、楽しんでいる、大切にするという気持ちを尊重し、本当は貸したくないけど、大人が言うから…という思いを子どもにさせてまで貸さなくてもいいのではと思います。人にものを貸すことで、「やりたい!」というエネルギーが遮られることが続くと、「不満足」な状態になります。そのような状態では、イライラしてしまったり、悲しい気持ちをモヤモヤと抱えたままになってしまいます。大切なのは、「今」やりたいことが満たされるということです。同じおもちゃを貸すという行為の中で、大人に「ずっと使っているから、貸してあげなさい!良い子だね」と言われて貸してあげる事と表情や様子・ことばなどから、相手がつかいたそうだから貸してあげる事や自分が満足したから次の人に貸してあげる事では、子どもたちの気持ちが違ってくるのだなと思う出来事でした。ひよこ・あひる組 代田

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